『ヴァレリアン 千の惑星の救世主』を観ただろうか!?個人的にはとても楽しめたし、満足できた。創造性豊かな景観が存分に楽しめたからだ。
はっきり言って、ストーリーが面白いとは思えないが、たまにはデジタル絵画を2時間眺めるようなSF映画があってもいいじゃないかい!
↓↓予告編
ダリを彷彿させる美しい海
パール人が暮らしていた、惑星ミールの海が最高に綺麗だった。天国とはこういうところか!という感じ!いつの日かここで暮らしたい!ダリの絵画のような色彩が実に心地よい。
最初の惑星ミールの海のシーンが、ハッキリ言ってヴァレリアンのピークだった。余計なセリフもなく、パール人が現地語で喋っているだけ。しかし、それでいい!と思わせてくれるほどの圧倒的な映像だった。
ヴァレリアンは、観賞中、常に最高のアイデアと美しさが融合した映像を楽しめるので、映像を楽しむための作品と割り切ってもいいだろう!
なんせ、フランス映画史上最高の1億9700万ユーロという製作費が掛けられている。VFX(視覚効果)についても、同じリュック・ベッソン監督の1998年の『フィフス・エレメント』では188ショットだったのに対し、『ヴァレリアン』では2734ショットと14倍もパワーアップ!
下記の動画はリュック・ベッソンのインタビュー!
ヴァレリアンのぶっ飛んだ設定を紹介
大粒真珠で顔を洗うリホ
パール人の王女リホは、朝、大粒の真珠で顔を洗っている。固形のもので顔を洗うという設定が斬新だし、真珠というキレイなものなので説得力もある。水に濡れないので顔を拭く手間も省けるし、いいなあと思った。
別の次元にあるバザール
とても、大きな砂漠に集まる頭の悪そうな観光客。彼らは、砂漠にある巨大なバザールでの買い物を楽しむために来ているのだ。砂漠にあるといっても、実際は別次元(遠く離れた他の場所)にあって、転送装置をつけるとバザールが見えるようになり、品物に触れもするし、人と会話もできる。
わざわざ砂漠で転送させるのは、広さがないと位置関係がわからず、人と人がぶつかるからだろう。
紫の蝶をエサに釣りをする惑星ゴーラの種族
惑星ゴーラからの移民は、紫のキレイな蝶をエサに釣りをしている(しかも水中ではない)。この文章だけよんでも、ぶっ飛んでいると思うだろう。ローレ・リーヌ(カーラ・デルヴィーニュ)が触って釣られてしまうのだが、このアイデアは本当に面白いと感じた。
惑星ミールが破壊されたのは30年前
リホの意識はヴァレリアンに入るまで、実に30年もの間、宇宙を彷徨いつづけていたことになる。これってロマンじゃない!?信頼は時空を超えたんだぜ!
ヴァレリアンが酷評される理由
ヴァレリアンはロッテン・トマトという映画批評サイトで、批評家の支持率48%と酷評気味である(僕はオーディエンスとして星4つの80%をつけておいたが)。そして、興行収入も1億3500万ドルの大赤字・・・
酷評されている主な理由は、ストーリー性が薄く、ハチャメチャな戦いが進む中、ヴァレリアンとローレリーヌがじゃれ合っているだけだから!というもの。まあ、この映画を見た人が、そう感じてしまうのも無理はないだろう。
ヴァレリアンは、同じくリュック・ベッソン監督作品フィフス・エレメントの流れを組んでおり、SF的な景観や設定はぶっ飛んでいながらも、テーマはとてもシンプルで愛・他者への信頼である。
フィフス・エレメントも、言ってみれば、コーベン(ブルース・ウィルス)とリー・ルー(ミラ・ジョボビッチ)がじゃれ合っているだけなのだが、リー・ルーが人間ではなかったので、まだ斬新さは合った。
それでも『ヴァレリアン』は、映像やアイデアにおける魅力が群を抜いているので、もう少し評価されてもいいと個人的に思う。
ヴァレリアン結論・眺めるだけの映画でいいじゃん!
ヴァレリアンは眺めるだけの映画となった!でも、それでいいじゃん!ストーリーがとって付けたような感じでもいいじゃん。ただ、若者たちが恋する物語でいいじゃん。そこに夢とロマンがあれば!
ヴァレリアンはヴィジュアル面に振り切ってしまったので、ストーリー重視という人には向かないと思うが、個人的にはこういう夢をクリスタルクリアにしたような映画があっていいと思う!
商業的に大ゴケしてしまったので、リュック・ベッソン監督が次も大金をかけてSF超大作を作るのは難しいかもしれないが、なんとか頑張ってほしい!!