マジ!?ツイン・ピークスThe Return 4つのぶっ飛び設定

ツインピークスthe Returnのクーパー

25年ぶりの新シーズン!ツイン・ピークスthe Returnはデヴィッドリンチ監督が全編監督を務めており、それだけに集大成といえる最高の作品だった。

そして、設定がまあぶっ飛んでいた!(それが良さなんだけど)

常人では決して思いつかないような設定を考えるだけで楽しい!

そこで、この記事ではツインピークスthe Returnのぶっ飛び設定について解説していく。

※シーズン1〜3のネタバレありなので観てない人は観てから読んでね!

ツインピークスThe Return(2017)を観る前に!絶対に思い出すべき4つの事柄

2019.05.16

ずっとノロマなクーパー

この設定が一番驚いた!

ツインピークスのセカンドシーズン(1990-1991)の最後、ブラックロッジから出てきたクーパーにボブが乗り移ったところで終わるよね。

ツインピークス・ザ・リターンでは、良い方のクーパーはブラックロッジにずっと閉じ込められていて、25年後に帰ってこれたという設定なのだが、なんせ25年間もブラックロッジにいたために、歩き方もトロイ、言葉もわからない、記憶もない、オシッコの仕方もわからない→ノロマクーパーになっているわけ(名前はダギー)。

そこで視聴者は、ノロマクーパーが目覚めて悪い方のバッドクーパーと対決する話や!と考えるんだけど、相手はなんといってもデヴィッド・リンチ。

ザ・リターンは全部で18章あるのだが、15章までずっとノロマクーパーのまんま!

子供が投げる球を受け取れないクーパー

キャッチボールすらできないクーパーが15話まで続投!

普通なら、早めに記憶を取り戻しシャキッとしたクーパーに戻って、ツイン・ピークスの仲間たちと一緒に事件解決!となりそうだけど、全然そうはならない。この設定に超ビックリした!

ノロマクーパーの話ってつまらなそうじゃん?

ところがどっこい、彼の身の回りで起こる話が超オモシロイ!大満足!

常人とはストーリー運びからして全く違うのがデヴィッド・リンチ監督なのだといい意味で再認識することができた!

映画でちょい役のフィリップ・ジェフリーが重要な役

フィリップ・ジェフリーは故デヴィッド・ボウイが演じた失踪したFBI捜査官なんだけど、ツインピークスthe Returnでは、彼が結構重要な役目を持っている。(悪いクーパーに嘘教えたり、ジュディの存在に言及したり)

しかし、フィリップ・ジェフリーは1992年の映画版ツインピークス「ローラ・パーマー最期の7日間」で2分くらいしか登場ない。(ボウイが演じているのでインパクトとカリスマ性がある役ではあったが、)

フィリップ・ジェフリー

フィリップが過去登場したのはこのシーンのみ。

25年前に2分間登場した人物がいきなり出てきて、全く説明もない(笑)

僕は1ヶ月間でツインピークスのシーズン1、シーズン2映画、シーズン3(the Return)を観たので覚えていたが、

「懐かしいな〜」といって前作の復習をせずにthe Returnを見始めた人にとっては記憶が曖昧なため、理解するのが難しい部分が多いだろう。

さすがリンチ監督!視聴者に手厳しい!

ハッピーエンドとバッドエンドの混在

最終話に進むにつれ、ハッピーエンドとバッドエンドどっちなんだろ?とソワソワしちゃうよね。安心してください
!両方ありますw!

両方あるって意味わからないよね?

なぜ両方あるかって、クーパーが目がない女性(内道役=裕木奈江)と目が合った時に、意識がまた分裂したという解釈だから。

みんなと再会し、ラスベガスの家族の元へ帰る、幸せなクーパーと、グレート・ノーザンホテルの315室の鍵でコンビニの上のフィリップ・ジェフリーに会い、過去へ行きローラを助けるクーパー。(どちらも現実か?どちらかが夢なのか?という2パターンで解釈が多少変わる)

ラスベガスの家族の元に帰ったクーパーは、もちろんハッピーエンド。

過去へ戻ったクーパーは、ローラが死体になることは避けれたが、結局ローラはジュディの力で失踪し、25年後に行くと自分もリチャードという別名になっており、ローラらしき人物を見つけるが、ジュディであろう母セーラの家を尋ねると誰もおらず、「ローラ」というささやきが聞こえるというまだすべて終わっていない系のバッドエンド!

主人公の意識を2つに分裂させちゃおう!それでハッピーエンドとバッドエンドを両方作ろう!というリンチ監督の発想がヤバかっこいい!

毎回ライブをブチ込んでくる

毎回話の終盤でロードハウス(Bang Bang Bar)でのアーティストライブ映像が入る。

時にはナイン・インチ・ネイルズや、パール・ジャムのエディ・ベータなど超トップクラスのアーティストが歌う!そしてストーリーとは全く関係ない(歌詞とか雰囲気的には合ってることもあるけど。)!

毎回ライブを入れるのは斬新すぎる!

終わりに

常識的に考えれば機能しそうにないツイン・ピークス the Returnの3つの大きなぶっ飛び設定も、リンチ監督の手にかかれば、作品に素晴らしい意味を持たせてくれる。

普通の人がまず考えつかないアイデアや設定を生み出せることがデヴィッド・リンチ監督のすごさだと思われているが、それだけではなく、それらを映像作品としてどうキレイにまとめていくか?という統合力もズバ抜けていることを忘れてはならない!

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