ジャック・ニコルソン、ヒース・レジャー、ホアキン・フェニックスなど、レジェンドたちが映画のスクリーンで演じてきたジョーカー (Joker)。
俳優別でみると、キャラクターの容姿や性格に違いがあってとても面白い!
実写版ジョーカーを画像付きで全員並べて、その特徴やトリビアを解説してみたのでお楽しみください。
ジョーカーとはどんなキャラ?
ジョーカーは、バットマンの漫画や映画に登場するヴィラン(悪役)で、真っ白な肌、緑色の髪の毛、紫のスーツ、そして横に大きく裂けたような口が特徴。
ジョーカーの初登場は、DCコミックの『Batman #1(1940年)』。
2020年には生誕80年になる、歴史あるキャラクターなのだ。
ジョーカーは特殊能力を持っておらず、戦闘能力は決して高くない。しかし、サイコパスな性格のイカれた知能犯で、ゴッサムの住民を混乱におとしいれては楽しんでいる。
ジョーカーというキャラクターのファンは世界中にいて、映画化の際は毎回どの俳優が演じるかが超ビッグな話題になる。
アメコミ史上一番人気のあるヴィランといっても過言ではないだろう。
ジョーカーにはモデルがいた!
ジョーカーというキャラには、実はモデルがいる。サイレント映画『笑う男』の主人公グウィンプレンだ(演:コンラート・ファイト)。
孕(はら)んでいる狂気は実写版ジョーカーの元祖といっても過言ではない。ジョーカーはコミックスになる前にすでに完成していたのだ。
『笑う男』はヴィクトル・ユーゴー原作小説を1928年に映画化したもの。ジョーカーの原点がレ・ミゼラブルの原作者だという事実は興味深い。
それではさっそく、歴代の実写版ジョーカー俳優と、特徴をみていこう。
初代実写版「シーザー・ロメロ」
初の実写版ジョーカーはシーザー・ロメロ。1966〜1968年のTVシリーズ『怪鳥人間バットマン』に登場する。コメディ色が強いジョーカーだが、後世に与えた影響は大きい。
ビジュアル面の特徴
シーザー・ロメロがヒゲを剃るのを嫌がったため、鼻の下に口ヒゲがうっすら見えるときがある。
悪事
コメディ路線なので、バットガールを縛って庭に放置したりと“イタズラ”っぽいことばかり。
ペンギン、キャットウーマン、リドラーと共に、「ユナイテッドアンダーワールド」というスーパーヴィラン軍団を結成。
思考と行動
楽しければなんでもOK!
狂気のパーティーマン「ジャック・ニコルソン」
登場:「バットマン(1989年)」
コミカルな風貌だが、笑いの裏にある絶望や狂気は計り知れない。憎悪を笑いに変換したようなジョーカー。遊んでいるように見えるが、やろうとしていることは毒による大量無差別殺人なので、歴代の中でも一番たちが悪いといえるだろう。
ジャック版ジョーカーのビジュアル面の特徴
顔に受けた銃弾の治療のあとで、大きく裂けたようになってしまった口が特徴。薬品で肌が白くなっているので、公の場に出るときは、ハダ色に化粧する。
行動や悪事
・スマイレックスという有毒成分を市販の化粧品などの製造経路に混ぜる
・金をバラまいて市民をおびき寄せ、気球から毒薬を散布
・恋人のアリシアの顔を、作品として醜くただれさせる。ヴィッキーが撮った死体の写真を絶賛。
思考タイプ=破滅型
顔を銃で撃たれ、薬品タンクに落ちた後、自らの姿を見て絶望し気が狂った。身の危険に繋がるような行動も平気でする。
ジャック版ジョーカーの思考タイプは、芸術家的な破滅型だといえるだろう。
ジャック・ジョーカーのトリビア
ジョーカー生誕劇の実写化は、ホアキン版が最初だと思われがちだが、元祖はジャック・ニコルソン版。ゴッサムを牛耳るマフィアのNo.2ジャック・ネーピアがジョーカーに変貌する過程が楽しめる。
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本ページの情報は2019年11月時点のものです。
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純粋悪の哲学者「ヒース・レジャー」
登場:「ダークナイト(2008年)」
ジョーカーといえば、まっさきにヒース・レジャー版が思い浮かぶのではないか。それくらい絶大な支持を得ている。鼻にかかった低い声で相手を思想を突き崩すやり方は圧巻。No.1ジョーカーかどうかというのはさておき、少なくてもビジュアル面では一番クールだろう。
ヒース・レジャージョーカーのビジュアル面の特徴
薬品により肌が白くなったという設定はなく、自分の指を使って化粧している(ヒース・レジャーが自分で化粧をほどこしている)。 目の周りを黒く塗り、眼球の動きがわかりにくいことが、穴に吸い込まれるような、得体のしれない恐怖感につながっている。
行動や悪事
- レイチェル殺害
- ハービー・デントを悪に染める
- 病院爆破
- 大型フェリー爆破実験
思考タイプ=哲学者
「人間の本質が悪だということを認めさせたい」ヒースジョーカーの思想は、シンプルなこの一言に尽きる。具体的な目標はないが、人間の存在意義を根底からひっくり返したいのだ。
役づくりやビジュアルの参考にしたキャラ
- シーザー・ロメロのジョーカー
- 時計じかけのオレンジのアレックス
- セックス・ピストルズ(バンド)のジョニー・ロットン
ヒースジョーカーのトリビア
ヒースは精神異常者の専門書を読み漁り、サイコパスになりきった。
ヒースの死因は睡眠薬の過剰摂取。ジョーカーとして日記をつけるなど、役作りにのめり込みすぎ他のが不眠症の原因になったといわれている。
一方で、ヒースの家族の話では、ジョーカー役で精神をむしばまれていたということはなく、楽しんで演じていたらしい。
続編のダークナイト ライジングにもジョーカーとして出演予定だったが、ヒースの急死により実現せず。
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ロックスター「ジャレット・レト」
レト版ジョーカーのビジュアル面の特徴
全身タトゥー。光沢感(テカテカ)。銀歯。
行動や悪事
クラブ経営。殺人。刑務所破壊。
思考タイプ=ロックスター
ハーレイ・クインを追いかけ、薬品にダイブする姿から、ロックスター的なナルシズムが垣間見える。
演じるジャレット・レトが、ミュージシャンとしても活動していることが関係しているのかもしれない。ちなみにバンド名は「Thirty Seconds to Mars(サーティー・セカンズ・トゥー・マーズ)」
トリビア
ジャレット・レトはジョーカーになりきるため、精神異常者や犯罪者たちと面会した。
共演者に異常性と本気度を見せつけるため、アダルトグッズや動物の死体を送りつけた。
単独映画が作れるほどの撮影時間だったが、スーサイド・スクワッドでは出演シーンが10分ほどに大幅カットされた。
ホアキン版ジョーカーの制作を邪魔しようとしたという噂がある。
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壊れた元人間「キャメロン・モナハン」
登場:ドラマ『GOTHAM/ゴッサム(2014〜)』
双子のヴァレスカ兄弟のジェロームの方は、一旦死んでから顔を剥がされホッチキスで留められて蘇生。最終シーズンでは薬品タンクに落とされた弟のジェレマイアが、造形のグロテスク度はNo.1ジョーカーとなる。
双子の狂気が化学反応を起こしてジョーカーが誕生したという見方ができるだろう。
モナハンジョーカーのビジュアル面の特徴
ジェロームの方は、一旦顔を剥がされ、そのあと医療用のホッチキスで留め直したので、ツギハギ感がある。
ジェレマイアは薬品漬けになり、腐りかけのフランケンシュタインのようだ。
思考と行動=復讐者
虐待や家庭崩壊、肉親間の争いを経て、このジョーカーは復讐者となった。
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悪への羽化「ホアキン・フェニックス」
登場:2019年 映画「Joker(ジョーカー)」
虚実入り乱れたホアキンのジョーカー。脳障害からくる無垢なままの衝動が、そのまま狂気に変わってしまった。ラストの暴徒に向かって立ち上がるシーンは圧巻。人が直視してはいけないモノをみてしまったような気さえする。
ホアキンジョーカーのビジュアル面の特徴
コミック版のジョーカーと趣を異にしたピエロのメイクとなっている。ヒース・レジャーとは大分違うが、同じ長髪のジョーカーとして括ることができる。
行動や悪事
- 証券マン3人を銃で殺害
- 養母を殺害
- TV司会者のマーレイを番組中射殺
- カウンセラー殺害
思考タイプ=衝動的
脳の機能障害だからか、理由を深く考えている様子はない。起きた出来事に悲しみ、衝動的に行動しているようだ。そこに、思考を超えた不条理が垣間見える。無垢な衝動が美しさになっているから面白い。
ホアキンは「彼(アーサー)は社会で見過ごされた存在ではあるが、同時に嫌悪するべき点もあり、とても複雑な感情を抱かせるキャラクター」だと語っている。
役づくりの参考にしたキャラ
「タクシー・ドライバー」のトラヴィス
悪ではない人間が狂気を帯びていくというジョーカーの変貌ぶりは、マーティン・スコセッシ監督の「タクシー・ドライバー」が元になっている。ただ、ホアキンが参考にしたのはほんの少しだろう。
ちなみにホアキンは、ジャック・ニコルソンやヒース・レジャーなど、過去の実写版ジョーカーについては役作りの参考にしなかったという。理由は、ジョーカーというキャラクターに固定観念を持つのはよくないと考えたため。
ホアキンジョーカーのトリビア
駅で証券マン3人を殺して逃げたあとにトイレで踊ったのはホアキンのアドリブによるもの。監督のトッド・フィリップスは、このホアキンの異様なダンスに衝撃を受け、シーンの採用を即決したのだという。
ホアキンはジョーカー役を演じたことを、俳優人生で一番楽しかったと語っている。